映像とノスタルジーと広告について 広告に使われる感情とは
ノスタルジー
「旧里や 臍の緒に泣く 年の暮」
ひさしぶりに故郷の生家に帰った松尾芭蕉が父母への懐旧のなみだにくれた俳句です。
人間にとって懐かしいという感情は大変強いものです。
ノスタルジーは、17世紀末にヨハネス・ホーファーという医学生によって作られた言葉です。
彼は、海外派兵されたスイス人兵士が奇妙な病に侵されていることに気づきました。
倦怠感、不眠症、不整脈、消化不良、発熱などの強い症状がでて、発症した兵士が解雇されることもありました。
その原因は生まれ育った山岳地帯への強い慕情に他なりませんでした。
広告においても、この感情はよく使われます。
新しい経験を想起させる商品とノスタルジー感じる商品では、後者のほうが値段が高くとも選ばれやすいのです*1。
そういえばKIRINのこのCMはとても話題になりましたね。
参考
1. Lasaleta JD, Sedikides C, Vohs KD. 2014. Nostalgia weakens the desire for money. J. Consum. Res. 41:713–29