映像における1/fのゆらぎ
1/fのゆらぎ
人は心臓の音を聞くと深く落ち着いたような不思議な気持ちになります。
なぜなのでしょうか? 基礎科学では有名な定説をご紹介します。
健康な人が安静にしているとき、その心臓は極めて規則的に動いています。
しかし、完全に同じ間隔なのではなく、一拍ごとに早くなったり、遅くなったりしているというのです。そしてそれが「1/f」という数学的に特別な性質をもつゆらぎと一致していることが1982年にわかりました*1。
それからニューロンの電気信号や脳波のα波、血圧など様々な生体リズムが「1/fのゆらぎ」をしていることが見つけられ、それが快適性と結びついていることが指摘されています。
メトロノームのように完全に一定なリズムではなく、火のゆれや波の音のような自然のリズム、そして生命の「ゆらぎ」が心地よいのです。
参考
*1 Kobayashi M., Musha T. : 1/f fluctuation of heart beat period. IEEE Transactions on biomedical engineering. BME 1982;29:456-4575.