木が先か森が先か/最初に見るもの/映像制作
木が先か森が先か
森は木が集まったものであるとすると,我々はその景色を見るとき,先に森をみるのか,それとも木をみるのだろうか?
難しい哲学的な話ではありません。はじめに,全体をまるっとひとつとして捉えるか,部分部分が集まりと見るかということです。
白くて柔らかい固体に茶色のドロドロした液体がかぶさっているのを見たとき,まず「カレーだ」と思うのか,「炊かれた米の粒と人参とじゃがいもとお肉と,,,」と思うのか。だいたいの人は先にカレーだと認識するでしょう。つまり森を先に見るのです。
ネイヴォンの階層文字刺激では,一瞬提示された文字がSかHか判断させています。
(*1:Fig1)
大きい字がなんと書かれているかは,小さい字に関わらずすぐに答えられましたが,小さい字がなんて書いているかは,答えるのに時間がかかりました。
目や口や鼻といったパーツを見せられても誰かはわかりませんが,顔として提示された瞬間に人を認識できる不思議はここから来ているのでしょうね。
1. Navon, David (1977). “Forest before trees: The precedence of global features in visual perception”. Cognitive Psychology. 9 (3): 353–383. doi:10.1016/0010-0285(77)90012-3.
映像制作ではこの認識とても大事です。